「誰もが来やすい寺に」
(2007年5月30日毎日新聞)
↑クリックすると拡大します。
これまでの概念が覆る寺が成田市にある。浄土真宗本願寺派純心寺は、 同市加良部の住
宅街にある庭付き2階建ての民家。シャツにスラックス姿の曽我弘章住職(54)が柵の回りの
朝顔に水やりをしている。誰もが来やすい寺をつくろうとの思いが結実した同寺には、島根県
石見銀山に近い寺から本尊・阿弥陀如来像を5月、遷座した。
今月、阿弥陀如来像を遷座 各地から訪れる人増え
曽我住職が純心寺を開いたのは05年。西本願寺の布教使として1980年代をハワイで過ご
した。現地の人が東京や京都などとともに知っている日本の町は国際空港のある成田市。し
かし、空港の職員が全国から集まっている同市の周辺には、西日本に門徒が多い浄土真宗
の寺院がなかった。広島県出身の曽我住職は「人生最後の仕事」と考え、成田に寺を開いた。
当初は近所から怪しまれ、人が訪れることはほとんどなかった。そんなある日、島根県の石
見銀山の近くから数年前に富里市に移り住んだ渡井ヒサ子さん(93)が、浄土真宗の寺が近
所にあると聞き、訪れたという。その訪問をきっかけに徐々に人の輪が広がっていったと話
す。
渡井さんの家族が過疎化などで、出身地の寺の如来像が十分、手入れがされたいなかった
ことから遷座を提案。「貨物室に入れたの輸送は申し訳ない」と空輸せず、島根からバスで約
16時間かけて運んだ。
如来像のうわさは口コミで広がり、現在県内各地から同寺へ訪れる人も増えている。如来像
に手を合わせ、「もう一度やってみます」と帰っていった女性がいたという。
曽我住職は「多くの人の思いが込められている素晴らしい仏像です」と話している。
※石見銀山は平成19年7月に世界遺産に登録されました。
浄土真宗本願寺派 純心寺 (西本願寺)
〒286-0036 千葉県成田市加良部4-4-13
お電話:0476-28-4103
Copyright (C) Junshinji. All rights reserved.
|