花祭り(灌仏会:かんぶつえ)
今を去る二五〇〇年の昔、はるかにヒマラヤの銀嶺をのぞむ北インドのカビラヴァストゥ
(カピラ城)という町を中心に、シャカ族と名乗る人々が住んでいました。シャカ族の王はゴ
ータマ家のシュッドーダナ(浄飯王)、その妃はマーヤー(摩耶夫人)というお名前でした。摩
耶夫人は、東方のルンビニーの森の、とある無憂樹(アショーカ樹)の木陰で、男子を出産
されました。これがシッダールタ太子、つまり後の釈尊の御誕生で、我が国では四月八日
に「花祭り」としてこれをお祝いします。
お堂を花で一杯に飾り花御堂として、その中に水盤に乗せた誕生仏を置き、柄杓で甘茶を
掛けます。
甘茶を掛けるのは、生まれたばかりのお釈迦様に天から九竜が香湯を注いだという伝説
にちなんだものと言われます。
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